今回はこちらの記事についての感想・意見です。
鉄道会社をやめてプログラマーに転職、年収半減した男性 スクールに80万円投資、紹介されたのは劣悪SES企業
概要は、電車の運転士として働いていた男性が新型コロナによる鉄道会社の業績悪化に不安を覚え、プログラミングスクールに通ったのちにプログラマーとなったが、年収は半減、プログラマーに対して抱いていたイメージも実態も違い、転職を後悔している…という内容です。
目次
プログラミングスクールで学んだことは実戦では活かせない
「基礎の基礎しか学ぶことができないので、あれだけでは実践に活かせないと思います。自分で自主学習する方が必要になります」
男性は90万円を払ってプログラミングスクールに通いましたが、スクールでは基礎的なことしか学ばなかったので実戦は活かせないと思ったようです。
うん、これって当然ですよね。
会社とか現場によって使われている技術やツールも違うし、仕事の進め方やスタイルも違う、お客さんからの要望も違うし、スクールに通ったからすぐ仕事ができるということはありません。
というか、ほとんどの仕事がそうだと思うんですよね。
簿記1級の資格を持っていても経理の仕事はできないと聞きますし、漫画「ブラックジャックによろしく」でも「医師免許は医学の知識を問うもので手術の技能は含まれない」というようなことが書いてありましたし、むしろ基礎を学んだり資格を取ったからすぐ仕事に活かせるというものって少ないんじゃないでしょうか。
厳しいことを言うかもしれませんが、転職する前に気づかなかったのかな?と思います。
まあ、プログラミングスクールのほうが「実践的ですぐ役立つ内容です!」とか言っていたのかもしれませんが。。。
プログラマーに対する華やかなイメージ
男性はかつて、プログラマーに対して「都心で綺麗で開放的なオフィスでフリードリンク片手に自由な服装で、談笑しつつプログラミングをしているイメージでした」と華やかな印象を持っていたという。
男性はプログラマーに対して、好意的な印象を持っていたようです。
なんか、これに対してすごい違和感がありました。
私が古いのかもしれませんが、私が新卒で就職活動していた頃はプログラマーとかSEって3K(きつい、帰れない、給料安い)とか、35歳定年説とか、メンタルを病む人が多いとかどちらかというとマイナスなイメージが多かったです。
2chの書き込みなので全てを鵜呑みにはできないですが、「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」という映画化もされたものもありましたし、プログラマーなんてブラックの筆頭だったと思います。
なのに、いつの間にか「稼げてフリーランスで働き方が自由で花形の仕事」みたいなイメージを持つ人が増えてきたような気がします。
多分、プログラマーになることを進めることによって儲かる人がいるからだと思いますが。
結局これは会社とかチームとか部署によるかなと思います。
会社全体としてはいい雰囲気でも、所属している部署は人間関係最悪とかってこともあるでしょうし、最初はいい雰囲気でも上司が変わったら雰囲気が悪くなったとか、無茶ばっかり言ってくるお客さんで残業続きとかってこともあるでしょうし、会社、部署、周囲の人、プロジェクトの状況とかによっても言えると思います。
SESはやめておけ
SES事業を手掛ける会社は未経験エンジニアの就職先として一般的になっているが、偽装請負の温床になっている側面があり、ITエンジニアの間では「闇」「やめておけ」などと言われている。
私はSESが中心の会社に新卒で入社して SES→受託開発→転職して企業の情シス→ベンチャーに転職して1人情シス みたいな感じで働いていますが、SESが悪いとは思いませんでした。
上でも書きましたが現場によって使われているフレームワークとかツールとかも違うので現場が変わると新しく学ぶことがあって勉強になりました。
特に私はあまり自分から進んで勉強とかをしないので、現場が変われば嫌でも強制的に新しいことを学べたのはラッキーだったなと思っています。
もちろん現場によっては合わない人とかやりづらい人、働きづらい環境もありましたが、逆にSESなので契約が終われば二度と会うこともないですし、現場を変えたいほどひどいわけではなかったので言いませんでしたが「現場を変えて欲しい」と自社の人間に言えば現場を変えることもできると思います。
最後に
「客先ではプログラミングと言うよりはテスターのみ、その他よく分からない雑用や営業まで行かされることまでありました。俗に言うなんでも屋さんです」
「自社開発に入社できると思ってプログラミングスクールに入ってもほぼSESに入社するとは考えもしなかった」
この男性の他のツイートも読みましたが、この男性はすっかり「SES = 悪、自社開発 = 正義」と思っているような印象を受けました。
残念ですが、そのような考えだともし自社開発の会社に転職したとしても失敗すると思います。
自社開発の会社に入社しても業務未経験者を育てるノウハウがない場合もありますし、自社開発って既存のシステムの保守・運用もやりながら新たな開発をやったりもするんでSESとは違う大変さもあったりします。
当然ながら、自社開発をやっている会社でも雰囲気が最悪だったり大変なプロジェクトで徹夜や残業が多い場合もあるでしょうし、逆にSESで行った現場が雰囲気もよく定時で帰れる場合もあります。
それに、自社開発をしていても一定期間だけ人手が欲しいときとかはわざわざ新たに人を採用せず、SESで人を補充するんですよね。
この方はプログラマーに対していいイメージを持っていたようですが、今度はそれが自社開発に変わっただけのように思いました。
プログラマー・SEとして今後も働いていくなら「SESは悪だ!」という偏った意見だけを鵜呑みにするのではなく、自社開発、SES、フリーランスなどのそれぞれの長所、短所、特徴をしっかり把握することをお勧めします。